昭和元年(1926年)に完成した明治神宮外苑は、明治天皇の履歴を伝える
聖徳記念絵画館を中心に、国立競技場・神宮球場等スポーツ施設が複数有る。
神宮外苑の一部は風致地区(自然の美しさを保つ目的で、都市計画上特に指定
された地域)に日本初で指定され、戦後外苑全域に拡大された。
今回の再開発は、ラグビー場と野球場の敷地を入れ替えて改築、超高層ビル3棟
を立て商業開発を行い、2036年に完成予定とされている。本年2月に東京都が
再開発の事業認可をし、同3月には神宮第二球場の解体工事が始まっている。
こうした一方的な開発に、日本イコモス(国際記念物遺跡会議)が意見書を提出。
近隣の住民・学識経験者からも見直しの声が多数上がっております。汚職事件で現在も
公判が継続中の東京オリパラに関する問題。その一つが国立競技場の当初案ではなかったか。
現況の敷地では狭く、また地域の景観を損ねると、建築家・都市計画関係者が異論を唱え、
最終的に大幅な計画変更がなされた経緯が有ります。(個人的に公共事業でこれだけ
大幅な見直しがされた事例は見聞した事が有りません。)将来に禍根を遺す様な再開発は、
やはり見直すべきです。